ぶきっちょさんの共働き入門

2021年夏より家族でアメリカ居住。異国暮らしとキャリア断絶について考える日々

2020-01-01から1年間の記事一覧

【夫婦のかたち】妻を躾けるということ

「うちの奥さんはしっかり躾けてあるからね」 「奥さん」と「躾」というふたつの言葉が結びつかず、一瞬ぽかんとしてしまった。会社の先輩から、誇らしげに言われた一言である。 結婚してすぐに私の単身赴任が決まり、週末婚となった我々夫婦。ろくに一緒に…

【育児】その時間、プライスレスです

まただ。またやってしまった。もう何度目か分からない。 両手にいっぱい抱えているのは、息子の新しいおもちゃである。木製のレール、電池式の列車、同じく木製のくるまと付属の専用ガレージ。自宅に車や電車のおもちゃはたくさんあるが、電池で稼働するもの…

【育児】子育て、孫育て、祖母育て(4/4)完

「大丈夫、息子は毎日、ちゃんと生きている」 きっと母は、電話口から「当たり前でしょうが」としか反応できない言葉しか聞こえてこないことに困惑していたのだと思う。もっと幸せいっぱいの、親ばかが炸裂したような話が聞きたかったのだと思う。(1歳半に…

【育児】子育て、孫育て、祖母育て③

前話を書いたのがかなり前なので、過去記事を貼らせていただきます。 kinmokuseisan.hatenablog.com kinmokuseisan.hatenablog.com 産後、母に応援はお願いしない。もちろん里帰りもしない。 夫婦二人、二人三脚で育児を頑張っていこう。お金を払って利用で…

【育児】偉大なる保育園のママ

保育園登園後、目に涙をいっぱいに溜めて泣き叫び「置いていったら許さないぞ!」と私にひっしとしがみつく息子をなだめていると、保育士さんがやってきて、息子に明るく声をかけ、出入り口を指さした。 「あ、〇〇くん!ママがいるよ!」 ママ? 確かにママ…

【キャリア】育児"休暇"が羨ましいですか? 完

妊娠は望んでいたことだ。なかなか授からず、待って待って、ようやく授かったこどもである。もちろん、優先順位など考えるまでもなかったし、そのことに悔いも一切ない。私たち夫婦のもとにやってきてくれた息子には、今でも毎日感謝のきもちでいっぱいだ。 …

【キャリア】育児"休暇"が羨ましいですか? ①

「ええよなぁ、女の人は育児休暇で1年も休めて。ほんま羨ましいわぁ!」 明日から産休。もうしばらく出社せず顔も合わせられなくなるからと、上司が職場のメンバーを会議室に集めて激励してくれたときのことだった。戻ってきたらまた一緒に働きましょう、と…

【育児】きいろとくろの救世主

息子を惹きつけるものは、不思議と黄色と黒でできている。 ※以下、文中にいくつも会社名が登場しますが宣伝などではなく、あくまで個人(息子)の嗜好です。 「おぉぉーぅ!!」と、息子が普段より野太い声をあげて指さす先には、工事をしているショベルカー…

【妊娠】悪阻は続くよどこまでも 完

「ぶきっちょさん、ちょっと休んだら・・」と言われても、私はひたすら仕事をしていた。何をしていたって体調は悪かったからだ。能率が落ちていたことは否定できようもないけれど。 ありとあらゆる無機質な匂いに過敏に反応していた当時。 一番困ったのは、…

【妊娠】悪阻は続くよどこまでも①

妊娠していたときの回想です。ブログ趣旨とは外れますが、ご興味ある方よければ覗いて行ってください。 ※嘔吐に関する間接的な描写があります。苦手な方は通り過ぎて下さいませ。 待望の第一子妊娠。喜びと、信じられないという思いとふわふわした幸福を味わ…

【キャリア】会社が好きだと言ってみたい

採用試験を受けるときには、大抵の志望者が「御社が第一志望です」と熱烈に求婚し、「我々には君が必要だ」と会社も厳選を重ねたその志望者の手をとる。そうやって愛を交し合うのに、会社に入って10年あまり、周りを見渡すと会社が好きだと言っている人は見…

【今週のお題】それはいずこのスイッチか

パチッと聞きなれた音がして、反射的に「ぽぽぽぽぽーん!」という陽気な言葉が私の口から飛び出した。それを聞いた息子は「うんうん」と頷いて満足そうだ。間髪いれずにまたパチッ!次はソファに座っていた主人が「ピーピー!ガチャン!」と不穏な音を立て…

【育児】そうよ私は鉄分おばさん 完

大丈夫だ、息子は今日も元気である。とりあえず彼が今日元気に生きていられるだけの栄養をなんとか摂取してくれればそれでいいのだ。 諦めの境地に至ったころに読んだ離乳食の本に「とにかく鉄分だけは取っておけ」という内容を見つけた。私は鉄分の重要性を…

【育児】そうよ私は鉄分おばさん①

「ごはんちゃんと食べないとぉ~鉄分おばさんがくるわよおぅ~」 息子はえへぇっと笑って意にも介さない。なんといっても鉄分おばさんというのは、この私である。ごはんの大半を食べ残した息子を、鉄分入りぶどうゼリーだの鉄分入りのせんべいだのをもって追…

【キャリア】いいかあちゃんでも、いい会社員でもない私

息子は私の背中におぶさって、ぷすんぷすんと鼻を鳴らしながら眠っている。いつもより高い体温に不安が募るけれど、眠っている今は何もしてあげられることがない。せいぜい彼がよく眠れるように、体を揺すっていることくらいだ。そういう訳で私はこの文章を…

【育児】通行手形を出しなさい

息子は離乳食開始期からずっと食の細いこどもで、一歳半となった今もそれが継続している。保育園に行き始めて周囲の子たちが食べるのを目にするようになったためか、以前よりは随分たくさん食べてくれるようになったが、やはり摂取カロリーより運動量の方が…

【妊娠】幸多かれと願ってくれて

妊娠していたころの回想です。ブログ趣旨と少し異なりますが、ご興味のある方よければ覗いていってください。 息子を授かってから、無事に出産を終えるまで、思い起こせば色んなことがあった。人それぞれ妊娠ライフは異なるであろうが、私のそれは多くの方と…

【育児】寝かしつけ全力疾走② 息子賛歌

我が家の寝かしつけはかなりのハードワークなのだが、この度「子守歌」の部の難易度が飛躍的にUPしたことをご報告いたします。 これまでは童謡を中心に20曲ほどその日の気分でのんびりと歌えばよかったのだが、今の息子のお気に入りは「息子を褒めたたえる歌…

【夫婦のかたち】焼肉ですかそうですか

とある理由で私はいま、それはもうすこぶる焼き肉が食べたい。 息子の寝かしつけを終えて、残った家事を片付けてほっと一息ついていた夜のこと。こんな会話があった。 「来週どこかで飲み会入りまーす」 「うん。OKだよー。来週のどこでー?」 「うーん・・…

【キャリア】祖父母は会社の備品じゃないよ

「もうすぐ繁忙期だからねえ・・おじいちゃんおばあちゃん呼んでもらって、残業できる日教えてね~」 数年前、まだ私が結婚する前の話だ。隣職場の小さなお子さんのいる女性が、上司に冒頭の台詞を軽く言いつけられていた。 当時は、まだ自分の身に差し迫っ…

【育児】しわしわのクリームパン

ぎゅっと握った息子の両手は、まさしくクリームパンのようだ。むちむちで、やわらかくて、しっとりとしていて、あたたかい。生まれたときから肉厚で手の大きなこどもだったが、それでもまだまだ小さくてかぶりつけば口の中に丸ごと入ってしまいそうな大きさ…

【キャリア】それは女性の仕事だよ 完

全く納得がいかない。 しかしまだ職場で虫けら同然の扱いを受けていた私には、直談判などできそうもない。 悩んだ末、それでも納得いかなかったので、丁寧に事の顛末を上司に説明することにした。 「不当だ!」と憤るのではなく、同様の行いがされた際に職場…

【キャリア】それは女性の仕事だよ②

カップラーメンの汁を盛大にシンクにぶちまけた先輩に同情していたら、次の瞬間その先輩は悪びれず「あ、掃除しといて~」と言って、さっさと立ち去ってしまった。 呆気にとられたのは私の方だ。 ・・え?自分で汚したものを、今その子に掃除しておけと言っ…

【キャリア】それは女性の仕事だよ①

「それは女性の仕事だよ」という言葉で、いい気分になったことは一度もない。 残念ながら、何度も何度も言われたことのある言葉である。時には憤慨しながら「そんなのは女性の仕事だろ、なんで俺に言うんだよ」という文脈で。ときにはにこやかに「やっぱり女…

【夫婦のかたち】まさしく風邪の諸症状

もうダメだ、もう疲れた、横になりたい。何もしたくない。 頭はガンガンするし、鼻水はだらだらと流れて(ズルズルでもなく水のように伝って落ちるタイプ)くるし、関節が熱をもってあちこち痛い。 明日は雨ではなかったはずだが、天気痛だろうか? 時期外れ…

【今週のお題】「大好き!五つ子」のおかあさんは超人と称えられるべきではないか

今週のお題「もう一度見たいドラマ」と聞いて、真っ先に思い浮かんだのが「大好き!五つ子」である。結構前のドラマであったような・・と検索してみると、なんとシーズン1はもう20年以上も前に放送されていたのだった。懐かしいはずである。 夏休みのお昼は…

【回想】忘れ物の数だけ、黒板に正の字を書きましょう 完

「不当」だとか「理不尽」だとか、そういう言葉を知っていたならば、と思う。あの時の私はその言葉を知らなかったので、ただただ増えていく正の字を眺めていることしかできなかった。心の中が黒く塗りつぶされていった。自分を弱者だと思った。この世界はど…

【回想】忘れ物の数だけ、黒板に正の字を書きましょう②

子供というのは大人をよく見ている。幼くてもその自治力というか正義感というか、与えられたルール内で大人の意思に従うのは上手なのだ。そしてその自治力が、新たなルールを作り出した。 「先生、ぶきっちょさんは落とし物も多いです。落とし物も数えたほう…

【回想】忘れ物の数だけ、黒板に正の字を書きましょう①

ブログ趣旨とは少し外れるかもしれませんが、ツイッターで話題になっていたことで昔の記憶が鮮明に思い出されたので書いてみることにします。育児に通ずることもあったので。 ツイッターで「忘れ物の数を黒板に書きだされる学校があるらしい」と話題になって…

【育児】我が家の国宝 そしてインディジョーンズ

息子は、保育園に行き始めてからぐっと感情表現豊かになったと思う。 これまで自宅でもなるべくたくさん話しかけたり、一緒に歌を歌ったりと私なりに精一杯構っていたつもりだが、やはり私一人では与えられる刺激に限りがあったのだろうなと思う。出来ること…