ぶきっちょさんの共働き入門

2021年夏より家族でアメリカ居住。異国暮らしとキャリア断絶について考える日々

【今週のお題】鍋の効能

今週のお題に参加してみることにした。自分以外にも同じテーマについてほかの人が考えているのかと思うと、ちょっと楽しい。

 

我が家にとっての鍋とは、週に一度(多いときは三度)食べて体をリセットする薬のようなものである。鍋にすると、驚くほど野菜が食べられるからだろうか。鍋を食べた翌日はすっきりと体が軽くなるような気がするのだ。熱いものをおなか一杯食べるからかもしれない。

我が家は春でも夏でも、いつでも鍋を食べる。だから使い込まれた桃色の土鍋はスタメンとしてコンロの脇の見える場所に鎮座している。

 

大抵は青菜と大根の鍋、つぎに白菜ミルフィーユ鍋。大人二人で大根1本と小松菜を二束、白菜なら半玉食べてしまう。いつも野菜を切っているときはこんなに食べきれるのかしらと思うのだけど、不思議と食べてしまうのだった。

夏はそこに夏野菜しゃぶしゃぶが加わる。ズッキーニやパプリカ、ナスなどの実野菜を細切りにしてちょっぴり辛みのある出汁にさっとくぐらせたら、これまたさっとしゃぶしゃぶした豚肉の薄切りで巻いて(肩ロースがよく合う)食べる。これが夏バテに効果絶大で、夫婦二人とも疲れ知らずである。冬ならねぎを山ほど千切りにして同じくしゃぶしゃぶで巻いて(豚バラがよく合う)食べる。二人でネギ8本は軽くぺろりだ。

 

鍋には健康増進のほかに、もう一つ不思議な効能がある。

 

普段料理を一切しない主人であるが、鍋の時だけは自然と鍋奉行となってテキパキ給仕をこなす。いつからだったか「おっ奉行、手際がいいですね」「ややっさすが奉行、ちょうどよい火の通し加減ですね」などと面白がって言っているうちに、いつの間にか鍋の時は主人が張り切って段取りしてくれるようになったのだ。そして鍋奉行であるときはなぜか、いつもより口数が多くなる。普段そこまでよく話すほうではないのだが、手と一緒に口も動くのかもしれない。

鍋だとふつうの食事の時よりも時間がかかるし、食卓で火を使うので、息子が寝静まった後に夫婦二人きりでのんびりと食べることになる。この時間に一週間にあったことや日頃面と向かって話しづらいことを話すのが、我が家の大事な夫婦行事になっている。

 

アツアツの鍋、たっぷりの栄養。

そして箸とともにすすむ夫婦の会話。

 

息子が大きくなってきたらこんな時間も持てないかもしれないけれど

夫婦になって5年目、

まだまだ未熟な夫婦である我々は鍋とともに少しずつ、

これからも関係を煮詰めていきたいと思っている。