ぶきっちょさんの共働き入門

2021年夏より家族でアメリカ居住。異国暮らしとキャリア断絶について考える日々

【夫婦のかたち】「手が荒れちゃって」の意味するもの

「うちの妻が毎年、寒くなってくると『食器洗いで手が荒れちゃって困るのよね~』っと言っとるから、高級ハンドクリームを買ってやったんですわ」

 

いい匂いがするらしいんですよお、まっ、私にはよくわからんですけどね、と締めくくったその男性の言わんとするところは、文脈からすると「妻に贈り物をした自分偉い」であったように思う。

 

もちろん素敵なことだ。結婚して何年たっても、妻に贈り物を照れずにできる男性と言うのは格好いい。いつまでもそういう夫婦でいたいものだ。

しかし私はこの話を聞いた時に、少しもやっとしてしまったのだ。果たして奥さんの欲しいものは高級ハンドクリームであったのだろうか。

奥さんの困りごとは「毎年」「寒くなると」「手が荒れる」ことなのである。手が荒れてしまってから高級クリームを塗ることが解決策になるとは思えない。

 

私が奥さんと同じ状況だったらほしいのは全自動食器洗い乾燥機である。暖冬だろうが厳冬だろうが(というか夏でも)水に触れずに済むし、洗剤が強力なので手でゴシゴシ汚れをこすらなくても食器はぴかぴかになる(茶渋も落ちる!)。私は手の荒れやすいタチだったが、食洗器を購入してからは手荒れ知らずである。技術の進歩は素晴らしい。

もやっとしてしまうのは、その人が会社では非常に効率主義であるためだ。まどろっこしい手作業にかわるシステムの導入や、改革について精力的に取り組んでいるだけあって、なぜ家事労働にも同じ視点を導入しないのであろうかと寂しい気持ちになる。

 

とはいえ他所の家庭のことはよくわからないので、もしかしたら奥さんは食洗器のような色気のない贈り物よりも、高級ハンドクリームの方が嬉しいのかもしれない。私も「ハンドクリームより家電のほうが・・」などとは口出ししたりしない。お口にチャックである。

 世の旦那様としてはやはり、妻に家電よりも、装飾品や美容製品を送りたいものなのだろうか。私も主人に対する接し方を考えこんでしまう一コマであった。