ぶきっちょさんの共働き入門

2021年夏より家族でアメリカ居住。異国暮らしとキャリア断絶について考える日々

【育児】そうよ私は鉄分おばさん①

「ごはんちゃんと食べないとぉ~鉄分おばさんがくるわよおぅ~」

息子はえへぇっと笑って意にも介さない。なんといっても鉄分おばさんというのは、この私である。ごはんの大半を食べ残した息子を、鉄分入りぶどうゼリーだの鉄分入りのせんべいだのをもって追い掛け回すのは日常茶飯事だ。

 

生まれてこの方血の気が多くて貧血とは無縁だった私が、息子を産んでから急に、貧血による立ち眩みに悩まされるようになった。今では鉄分の錠剤が手放せない。そして息子もまた、鉄分を必要としているらしい。幼いころの鉄分欠乏が脳の成長に差し障るときいて仰天した。「あ、鉄分のまなきゃ」だの「〇〇くん、とにかく鉄分はとってほしいな・・」だの、母になってからの私は、鉄分というワードを人生でいちばん使っていて、もはや立派な鉄分おばさんである。

 

そんな鉄分おばさんの息子は鉄分ぼっちゃんなのかというと、ちっともそんなことはない。

息子の興味関心のベクトルは、ほぼ100%遊びに向いている。外で遊ぶのも、部屋の中で遊ぶのも大好きだ。こどもは皆そうであろうけれど、息子の場合は「ほかのことに興味がない」ところまで遊びにMAX振り切れている。眠ることも、そして食べることも。

特に食べることへの関心の無さといったら、どうやってエネルギーが賄われているのか不思議になるほどちっとも食べなかったのだ。(保育園に通い始めてから、少し改善しました)

偏食も激しく、コメしか食べない、ぶどうしか食べない、トマトしか食べない時期もあった。当初は「品数多く、いろどり豊かな食事を出しましょう♪」なんて育児書を読んで悪戦苦闘していた。が、あまりに彼の食に対する興味が薄く、しつこく食べさせようとすると暴れて、涙を流して嫌がるので、ある時すっぱり辞めてしまった。

そのうち私の方が食事の時間に恐怖を覚えていることに気づいたからだ。そりゃあ鬼のような形相で「後生だから一口だけでもおおお・・・・!」なんてスプーンを突き出されても食べないだろう。私なら怖くて拒否するもの。何か恐ろしいものでも入っていそうな必死さなのだから。

せっせと手作りしたおかずだろうが、ベビーフードであろうが、市販の赤ちゃんせんべいであろうが、食べるときは食べるし、食べないときは食べない。時間をずらそうが、食事の粒度を変えようが、歌いながら食べさせようが、食べないときは食べない。「食べない時は一旦時間を置きましょう、いつかは必ず食べます」というアドバイスも受けたことがあるが、食べないまま時間だけが経過していくし、前回の食事の量が少なかったからといって次回たくさん食べるわけでもない。食事は3回+おやつは2回、規則正しく食べさせましょうなどと言ってられずに、とにかく食べるものを食べるタイミングで少量でも摂取してもらうことにしたのだった。

 大丈夫だ、息子は今日も元気である。とりあえず彼が今日元気に生きていられるだけの栄養をなんとか摂取してくれればそれでいいのだ。