ぶきっちょさんの共働き入門

2021年夏より家族でアメリカ居住。異国暮らしとキャリア断絶について考える日々

【育児】その時間、プライスレスです

まただ。またやってしまった。もう何度目か分からない。

両手にいっぱい抱えているのは、息子の新しいおもちゃである。木製のレール、電池式の列車、同じく木製のくるまと付属の専用ガレージ。自宅に車や電車のおもちゃはたくさんあるが、電池で稼働するものは持っていなかった。ガレージも持っていない。

今日はちょっと見るだけ、とのぞいたお店で見つけたおもちゃを、一つならず四つも買ってしまった。大人買いである。息子が駄々をこねて欲しがったわけではない。なんなら「みてみて、これほしい!?・・ほしいって!!」と息子が欲しがった体にして、その実欲しかったのは両親の方である。

 

乗り物好きな息子は、きっと目を輝かせて喜ぶだろう。「えっへええっへえ!」と手を叩いて大はしゃぎするに違いない。それに、最近はどんどん新しいことが出来るようになっている。息子がその小さな手でレールを組んだり、その上に列車を走らせたり、ガレージの扉を開閉したりするのだ。

あんなに小さかった息子が。寝返りさえできなかった息子が。

想像するだけでわくわくしてしまう。歓喜の声をあげて喜び、遊んでいるうちに新しいことができるようになる息子の姿がみたくて、ついつい年齢に沿う新しいおもちゃを買ってしまうのだった。

 

保育園に行くようになって、息子と過ごす時間はぐっと少なくなった。育休中は、日がな一日のんびり息子と遊ぶ時間があった(壮絶なイヤイヤで遊ぶどころでない日もあったけれど)のに、今では保育園から帰宅して夕飯を食べさせるまでのわずかな時間だけ。おままごとをしたり、廊下を高速道路に見立てて車を走らせたりしているうちにあっという間に夜は更けて、夕飯・お風呂・寝かしつけのメニューをこなす時間になってしまう。

しかし、いまは華の冬休み。このご時勢なので、外出もできずに自宅にこもっていることになる。となれば、息子と遊びたい放題。本当なら家族3人であちこち遊びに、または帰省に使うはずだったお金なので、この際おもちゃを買ってしまってもよかろうと奮発した。率先して遊ぶのは、きっと息子よりも私と主人である。とくに主人は、積み木やメガブロックを使わせれば我が家で右に出る者のない天才だ。魔術師のように創造物を作り出す。

 

我々夫婦にはあまり強い物欲がないようで、自分たちの物はあまり衝動買いをすることがない。悩んだら買わない。私が悩んだときに「買ったらいいんじゃない?」というのが主人の役目で、それでも八割くらいは買わない。

しかし息子と過ごして約1年半。息子の衣類やおもちゃとなると、買う衝動を抑えられずについつい買ってしまったことのなんと多いことか。もう何度目か分からない。今しか着られない、今しか楽しく遊べない・・と言い訳をつけて買ってしまう。

 

それでも自分たちの物に散財してしまったときと違って、不思議と全く後悔しない。

購入したのは、今しか相手をしてくれないであろう息子と過ごす楽しい時間だと思っている。