ぶきっちょさんの共働き入門

2021年夏より家族でアメリカ居住。異国暮らしとキャリア断絶について考える日々

【育児】これはギリギリ誘導尋問?

「たったぁ~!」

ぶんぶんと首を縦に振りながら、ご機嫌そうに答える息子に私の相好は崩れっぱなしである。

最近、息子の発語に新たなボキャブラリーが加わった。「たった!(過去形の~かった)」である。「はーい」以来の受け答えワードで、うまく使えると会話している感を味わえる。

保育園に息子を迎えに行った帰り道。くるまの中では疑似「親子の楽しい会話」が繰り広げられる。

「今日は保育園楽しかった?」「たったぁ~!」

「今日は給食おいしかった?」「たったぁ~~!」

 「今日はお外遊び楽しかった?」「たったぁ~~~!」

 ポイントは、質問の語尾を「~かった?」にすることだ。色々試してみたが、「お外で遊んだ?」「おやつは食べた?」など「~かった?」で終わらない質問には答えてもらえない。

答えるうちにだんだんと勢いづいてくるのか、返答する声も活気を帯びてくる。さて、十分息子のテンションが上がってきたかな?という頃合いを見計らって、いちばん聞きたい質問を投げかける。

かあちゃんに会いたかった?」

タイミングを間違えなければ「たったぁ~~~~~!」と嬉しそうに答えてもらえる。

「うん!かあちゃんも会いたかったよぉぉぉぉ~!!」と、彼の元気に負けじと答えるのだが、心の中は喜びで滂沱の涙を流している。こんなに尊い存在があろうか、いやない。

難しいのはタイミングである。一番最初に聞くと「たった。」くらいで済んでしまうので、なるべく後半の質問まで引き付けたい。しかし後ろに引き付けすぎると飽きてしまい、答えてもらえないこともある。しかも自宅についてしまうと、おふろまでの有限の時間を全力で遊び倒すのに、息子は多忙を極める。おもちゃや絵本を前にすると、この受け答え遊びには滅多に付き合ってくれないので、かえりの車でいかに回答を引き出すかが勝負だ。

 

と、ここまで大真面目に書いてみたが、これは息子への誘導尋問ではなかろうか。あまりにも可愛いことを言ってくれる(ように感じる)のでついついやってしまったが、出来心というには回数を重ねすぎている。たぶん有罪だ。

けれど、きっと息子がもう少し大きくなるときっとこう答えるようになる。

「今日は保育園楽しかった?」「ふつー」

「今日は給食おいしかった?」「まあまあ」

 「今日はお外遊び楽しかった?」「たぶん」

なんといっても主人がそうであるからだ。主人の生き写しである息子はそう遠くない未来、あっさり塩対応の権化になってしまうことだろう。すでにその片鱗もあることだし。

こんなに可愛く構ってもらえるのも今だけ。

ちょっとずるい誘導尋問であるが、どうか今だけは多めに見ていただきたい。