ぶきっちょさんの共働き入門

2021年夏より家族でアメリカ居住。異国暮らしとキャリア断絶について考える日々

【育児】ひとつだけよと言うけれど

「絶対に今日こそは5冊までしか借りないぞ」

重たいリュックサックを背負って、自宅から図書館へ向かっているときの私は、それはもう強く強くそう思っている。

しかし、強く強くおもっているのに、なぜか貸出カウンターに並ぶ頃には両手いっぱいに持てるだけ本を持っている。すっかり常連なので、優しい司書さんが「あらあら、きょう『も』たくさん借りるのね」と言って、リュックに本を詰めるのを手伝ってくれる。

各ジャンルごとに1冊ずつあれば十分、と思うのに「あら、息子のすきな消防車」「まあ、空港の車に特化した図鑑なんてめずらしい」「サンドイッチの本!本屋で気になってた!」などとやっているうちに、あっという間に15冊。ちなみにほとんど私の趣味である。息子と一緒に絵本を読むのが楽しくて、ついついたくさん借りたくなってしまうのだが、息子は乗り物狂なので、タイヤ(もしくは回転しそうな何か)のイラストがついていれば数冊あれば、それで満足なようだ。慎ましいことである。

 

図書館をでるときにはまだ、ホクホクと高揚感に満ち溢れているのだが、自宅に帰る途中の階段で猛烈に後悔する。10kgオーバーの息子を抱え、15冊の本を背負って上る階段はちょっとした登山のようだ。しかし登頂の過程の辛さは、帰宅して本を読んでいる間にすっかり忘れてしまう。(ほら、山頂からみる景色がすばらしくて山に登ってしまうと言いますから)

 

今週末は、本の返却日。

私はいまも性懲り無く、この記事を書きながら「絶対に5冊まで」の呪文を唱えているが、きっと効かないのだろう。

いつか息子にスーパーのお菓子売り場で「やだやだ2つ買って!!」などとねだられたら「ひとつだけよっ!」と窘める場面に出会うこともあるだろうけれど、心の中ではきっと「どの口が言うのか」とバツがわるくなるに違いない。