窓の外から電車の通る音が聞こえる。
近所の小学生の笑い声、小鳥のさえずりも。
なんて牧歌的なのだろう。
仕事をしていた時にはどれも、聞こえていることさえ気が付かなかったものだ。
息子は私の肩に顔をうずめて昼寝をしている。
布団に横たえればきっと、猛抗議されることだろう。
今は右手でキーボードを叩きながら、ふんすふんすという寝息をきいていられるけれど
再来週の今頃には、彼は保育園でおやつを食べているのかもしれない。
慌ただしい年の終わり、12月になったら、私は職場復帰をする。
一年半という長い育児休業、
息子とたっぷり一緒にいられたこの時間は、人生でいちばん幸福なときであった。
別に離れて暮らすわけでもあるまいに、ずいぶんさみしい思いがする。
さて私は、とても不器用な人間である。
女性はマルチタスクといわれるけれど、
器用さは母親のおなかの中に忘れてきたようだ。
(おかげで私の母は日々、器用に楽しそうに毎日を送っている)
忙しい夫と、甘えん坊な息子と、不器用な私。
家事育児をのんびり楽しみながら過ごしてきた日々が終わり、
また仕事に戻るのだ。私の愛するあの仕事に、職場に、社会に戻れるのだ。
共働きなんて、昨今珍しくもないのだ。
こなしている人が山ほどいるのも知っている。
だが不器用な私にできるだろうか。
怒涛の日々が始まる予感しかしない。
私は、愛していたいのだ。
息子も、夫も、そして仕事をする自分も。
育児も、家事も、そして仕事も。
だから少しでも、毎日を愛していけるように、
不器用な私が取り組む、毎日を愛するための工夫を書き残していこうと思います。