ぶきっちょさんの共働き入門

2021年夏より家族でアメリカ居住。異国暮らしとキャリア断絶について考える日々

キャリア

【育児】お母さんなんだから

「お母さんなんだから、痛い思いをして産んでこそ愛!」 「お母さんなんだから、子供が小さいうちは自分で面倒見なきゃ!預けるなんて可哀想!」 息子を授かってからずっと、周囲からの「母親かくあるべき」というプレッシャーに息苦しさを感じていたのだと…

【キャリア】それはご配慮ですか?

「もう少し、家庭を大事にした方がいいんじゃないの。君はおこちゃまもいるし、家事もしないといけないんだからさぁ」 自分の常識は、世間の非常識なのだろうか。そんなことに目くじらをたててと眉を顰められるだろうか。神経質だと距離をとられるだろうか。…

【キャリア】ちゃんとおかあさんやってるの?

ここ数日、夜中の3時より前に布団に入ったことがない。 2週間ほど前から途中参加したプロジェクトに重大な問題が発生していることが発覚して、隣部署も巻き込んで、チーム総出で火消しにあたっているからだ。きちんきちんと対応していれば発生しなかった仕事…

【キャリア】今日残業できる?

「今日残業できる?」 会社貸与のパソコンが「ぽんっ」と軽やかな音を立てて、上司からのメッセージが届く。残業のお伺いである。昨今のオンライン会議アプリは非常に使い勝手がいいので、上司とのやり取りももっぱらchatやテレビ電話だ。外出自粛のご時世な…

【キャリア】働き方改革ってなんだろう

働き方改革ってなんだろう。 厚生労働省が発表した定義によると「多様で柔軟な働き方を選択できるようになるための改革」らしいのだけれど。上記定義と、私がいま会社で体験している「働き方改革」との微妙なニュアンスの違いにモヤモヤがつのる。 育休から…

【育児】マラカス振って落ち着けよ

息子の前では夫婦喧嘩などしないほうがよいと分かっていたのに、先日ちょっとしたことがきっかけで、主人と口喧嘩をしてしまった。というより私が一方的に怒っていたのである。私が育休から復職した後の働き方に関することであったので、さらっと受け流せず…

【キャリア】「女の子」でも「おかあさん」でもなく同僚として扱ってほしいと思うこと①

「女の子に頼まれたら、嫌とは言えないなぁ~!」 にこやかに書類を受け取りながら、その人はそう言った。隣の部署で管理職をしていた男性である。上司ではないが役職持ちの目上の人だったので、私もにこやかに頭を下げた。内心はどうあれ。 私の要件は一言…

【キャリア】育児"休暇"が羨ましいですか? 完

妊娠は望んでいたことだ。なかなか授からず、待って待って、ようやく授かったこどもである。もちろん、優先順位など考えるまでもなかったし、そのことに悔いも一切ない。私たち夫婦のもとにやってきてくれた息子には、今でも毎日感謝のきもちでいっぱいだ。 …

【キャリア】育児"休暇"が羨ましいですか? ①

「ええよなぁ、女の人は育児休暇で1年も休めて。ほんま羨ましいわぁ!」 明日から産休。もうしばらく出社せず顔も合わせられなくなるからと、上司が職場のメンバーを会議室に集めて激励してくれたときのことだった。戻ってきたらまた一緒に働きましょう、と…

【キャリア】会社が好きだと言ってみたい

採用試験を受けるときには、大抵の志望者が「御社が第一志望です」と熱烈に求婚し、「我々には君が必要だ」と会社も厳選を重ねたその志望者の手をとる。そうやって愛を交し合うのに、会社に入って10年あまり、周りを見渡すと会社が好きだと言っている人は見…

【キャリア】いいかあちゃんでも、いい会社員でもない私

息子は私の背中におぶさって、ぷすんぷすんと鼻を鳴らしながら眠っている。いつもより高い体温に不安が募るけれど、眠っている今は何もしてあげられることがない。せいぜい彼がよく眠れるように、体を揺すっていることくらいだ。そういう訳で私はこの文章を…

【キャリア】祖父母は会社の備品じゃないよ

「もうすぐ繁忙期だからねえ・・おじいちゃんおばあちゃん呼んでもらって、残業できる日教えてね~」 数年前、まだ私が結婚する前の話だ。隣職場の小さなお子さんのいる女性が、上司に冒頭の台詞を軽く言いつけられていた。 当時は、まだ自分の身に差し迫っ…

【キャリア】それは女性の仕事だよ 完

全く納得がいかない。 しかしまだ職場で虫けら同然の扱いを受けていた私には、直談判などできそうもない。 悩んだ末、それでも納得いかなかったので、丁寧に事の顛末を上司に説明することにした。 「不当だ!」と憤るのではなく、同様の行いがされた際に職場…

【キャリア】それは女性の仕事だよ②

カップラーメンの汁を盛大にシンクにぶちまけた先輩に同情していたら、次の瞬間その先輩は悪びれず「あ、掃除しといて~」と言って、さっさと立ち去ってしまった。 呆気にとられたのは私の方だ。 ・・え?自分で汚したものを、今その子に掃除しておけと言っ…

【キャリア】それは女性の仕事だよ①

「それは女性の仕事だよ」という言葉で、いい気分になったことは一度もない。 残念ながら、何度も何度も言われたことのある言葉である。時には憤慨しながら「そんなのは女性の仕事だろ、なんで俺に言うんだよ」という文脈で。ときにはにこやかに「やっぱり女…

【キャリア】「よし産もう」と思える国って②

「じゃあ、どんな国だったら『よしもう一人産もう』って思える?」 (はじめに断っておきますが、これは夢物語です。あしからず・・) 主人も私も政治経済の専門家ではないから、実現可能性なんてわからない。けれどキャリアも子供も、自分ののぞむだけ持て…

【キャリア】「女性管理職」というスーパーマン①

①とても尊敬する女性がいる。 会社で管理職をしている女性で、語学堪能・スタイルもよく・美人・気配りができる・そしてもちろん仕事ができる颯爽としたキャリアウーマンだ。性格はサバサバとして、だれに対してもとても所作が美しく、気持ちの良い態度で接…

【キャリア】働かなくていいんだよ⑥

交友関係もない、趣味もない、特技もない、手に職もない。 一体毎日何を話題にすればいいのだろうか。 私が会社を辞めたら彼しか残らないけれど、果たしてそんな自分と、彼は添い遂げたいと思い続けてくれるのだろうか。 何にも残らない私に、一緒にいる価値…

【キャリア】君は下手な男よりよっぽど優秀だな!②

「しかし、本当に惜しいな。どうしようもない男を採るよりは君みたいな女性を採ったほうがよっぽどマシだった。うちの部署に欲しいくらいだよ」 反射的に顔はこわばったけれど、何とか体面を保ってお礼をいうと、彼は手をひらひらさせながら「また頼む」と去…

【キャリア】君は下手な男よりよっぽど優秀だな!①

「君は下手な男よりよっぽど優秀だな!」 後ろから力強く肩を叩かれ振り向くと、先ほどまで電話でやりあっていた相手が立っていた。電話口ではかなり苛立った口調であったが、今は機嫌よさそうに胸ポケットから小銭入れを取り出している。 その人は私が所属…

【キャリア】働かなくていいんだよ⑤

会社を辞めたわたしに、いったい何が残るのであろうか。 そもそもいま住んでいる街には就職を機に引っ越してきたので、親兄弟はじめ親戚は一人もいない。地元の友人もいない(地元にも今も連絡をとっている友人がいるわけではないので、ただの友達のいない人…

【キャリア】尊敬するおじさんたち①

私は日本のおじさんたちを尊敬していた。 ドキュメンタリーで取り上げられるようないわゆる「格好いいおじさん」だけでなく、街中で電話片手にぺこぺこ会釈をしているおじさんや、電車のホームで傘をゴルフクラブに見立てて素振りをしているおじさんでも、で…

【キャリア】働かなくていいんだよ④

はて、私は一体、なんのために仕事をしていたのだっただろうか。 就職当初、その目的は明確であった。理由はたくさんあった。 まず差し迫った話として、そもそもごはんが食べられないし、奨学金の返済が毎月2万円(利子付きだった。初めての借金だったので利…

【キャリア】献身と許容のまほう

私たち夫婦は、献身と許容で成り立っていると思う。 ちなみに担当は私が「献身」、主人が「許容」である。 私はとにかく主人に何かしてあげるのが好きだ。そう、「してあげる」。世の中には目配り気配り心配りの上手な人がいて、相手の望むことを自然にやれ…

【キャリア】働かなくていいんだよ③

単身赴任を辞退して、家族となった彼とともに暮らしていくこと。仕事はのんびり探せばいい。その提案は私ひとりでは絶対に思いつかないものだったと思う。その生活は、あまりに遠い世界の話だったから。 「少し、考えてみるね」 そういった私に彼はほっとし…

【キャリア】働かなくていいんだよ②

「働かなくてもいいんだよ」 単身赴任を命じられた私に、主人はそういったのだった。そんな苦難の待ち受ける道に、なぜ飛び込む必要がある。会社を辞めて、一緒に暮らせる道を一緒に歩もう。 私は全く想定していない話だった。 会社を辞める。この街で、この…

【キャリア】働かなくてもいいんだよ

私が単身赴任を決意することになったときの話である。新卒で入社し、時世がよかったことが幸いして希望の会社に入社した私であったが、結婚を機にキャリアについて考えさせられた。 就職活動をしているときも、独身時代も、結婚して会社を辞めることは全く考…