ぶきっちょさんの共働き入門

2021年夏より家族でアメリカ居住。異国暮らしとキャリア断絶について考える日々

【育児】息子の誘惑 そして「保育園かわいそう」の呪縛

今朝の息子は泣かなかった。朝起きて、朝ご飯をたべて、歯磨きして、電車のトレーナーに着替えて。不安そうな顔をしているがぐずらず、粛々とやるべきことをこなしていった。

 

そうして保育園へ出かける間際、靴下を履くよと声をかけると、聞こえなかったふりをしてスイっと本棚へ向かった。最近購入した図鑑(息子の大好きな乗り物や図形が写真で掲載されている)を無言で差し出してくる。じゃあ、それ読んだら行こうねと声をかけて一通り膝で読み聞かせ、さあ靴下を履くよ、ともう一度声をかけた。

するとまた聞こえなかったふりをして、今度は積木(早めのクリスマスプレゼントでもらった100ピース入りのもの)の入った箱をひっくり返し、さあやるかといった風情で真剣に積み上げ始めた。昨日は見向きもしなかったのに。じゃあ、3つ積んだら行こうねと声をかけて積み木を積んで、さあ靴下を履くよ、ともう一度声をかけた。

するとまたまた聞こえなかったふりをして、今度は新幹線のおもちゃを取りにいった。さすがにそろそろ出なくては時間に間に合わない。新幹線に手を伸ばす息子を抱きしめて「さあ靴下を履くよ」と声をかけると、一瞬硬直した後に、おとなしく床に座って足を差し出した。

 

大泣きしてぐずられた方がマシだった。いつもはそうするくせに、今日息子は私を困らせまいと泣くのを我慢しているのである。その代わりに、楽しいおもちゃや絵本で遊ぼうと私を誘惑しにかかったのだ。賢い子だ。危うく誘惑に負けてしまいそうになった。色んな人にかけられた「保育園かわいそう」の呪縛が復活するのはこういうときだ。

我慢させてかわいそう!

こんなに小さいのにかわいそう!

幼稚園じゃないなんてかわいそう!

おかあさんなのに!おかあさんなんだから!おかあさんがみなくちゃ!

 

何度もかけられた呪縛と、今朝息子のみせた健気さに、心がくじけそうになる。

 

心を強く保って息子を保育園へ連れてゆくと、息子の一番すきな先生が出迎えてくれた。その先生の「今日も〇〇くんはいっぱい遊んでいますから、おかあさんも頑張ってらっしゃい!」という温かい言葉にほっとする。大丈夫、息子はかわいそうなんかじゃない。

ようやく「保育園かわいそう」の呪縛から解放された私は、今日も元気に仕事に向かうのであった。夕方ケロッとして車のおもちゃで遊ぶ息子に会えるのを楽しみにしながら。