ぶきっちょさんの共働き入門

2021年夏より家族でアメリカ居住。異国暮らしとキャリア断絶について考える日々

【育児】我が家でいちばん多忙なあなた

「いっし!いっし!(よし!よし!と言いたい)」

息子が小さな人差し指をぴんと立てて、ビシッ!ビシッ!とあちこちを指さしながら、部屋中を練り歩いている。クリームパンのような両手はむくむくで美味しそうなのに、ぴんと立てた人差し指はかなり力強い。先ほどからずっとこんな調子で、我が家の警備に余念がない息子である。キッチンに始まり、リビング、寝室、脱衣場まで一周したら、また起点に戻ってもう一周。

指差呼称しているのは、部屋の棚につけているベビーロック。100円ショップで購入した、両面テープで貼り付けて使用できる簡易タイプだ。息子の手が届くところにはすべて設置しているので、かなりの数になるが、それを端から端へと点検して回るのが、最近の彼の日課である。

外れているところがあれば「ううーっ!」だの「あだだだーっ!」だのと追及の声をあげて、閉めるように指示する。かなり厳格だ。間が悪いとまさに今棚をあけて作業しているよ、というときに「閉めろ!」と指示が下るので、開閉のタイミングは警備員の隙を見計らって行わねばならない。

 

「きちんと閉まっているか!?ここは!?ここは!?」と鬼気迫る勢いだが、元をただせばそのベビーロックは息子が棚を開けてイタズラしないようにつけたものであって、当の本人が戸締り確認をしている今となっては、存在価値があるのかかなり怪しいものである。

 

この点検作業、保育園から帰って夕飯が始まる前のわずかな自由時間にやるべきことと認識されているようだ。しかし、乗り物狂である息子には、遊んであげるべき電車やバスやトラックもたくさんいるので、それはもう多忙を極める。保育園帰宅後に、もっとも忙しくしているのは息子だ。

 「そろそろご飯にしない?」と言って息子の後をちょこまかと追い掛け回す私はたぶん、さぞ暇そうな大人に見えていることだろう。

「暇ならちょっとは手伝ってほしいぜ」とでも言いたげな息子の背中は、生意気で頼もしく、可愛さをも極めているのであった。

 

※関連記事に、息子が「よし!」を始めたときの記事をのせておきます。ご興味ある方いらしたら覗いてくださいませ。 

kinmokuseisan.hatenablog.com